人間・自然・情報の関係性を捉え直すための本。
その糸口となっているのが「環世界」という概念だ。それが、この本の元となった、著者たちのクローズドなディスカッションの場「情報環世界研究会」の根底にある、人間を捉える視点となっている。
コロナ禍は、人々に、自分が「閉じた環世界」にいることを、強制的に意識させている。だからこそ、自分の環世界で通用してきた感覚・運動器官が、今までと同じようには使えない。
このような状況から抜け出し、環世界を構築し直すためには、“自分でないもの”の存在が不可欠だ。他者を感じ・他者に関わり・他者と創ることで、自分が新たな「開いた環世界」の住人になるのだ。
自分に非ざるものと、共に生きる社会をつくるために、「環世界」は必要な考え方だ、と私は思う。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
吾唯足知
- 感想投稿日 : 2020年7月30日
- 読了日 : 2020年7月29日
- 本棚登録日 : 2020年7月30日
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