情報環世界――身体とAIの間であそぶガイドブック

  • NTT出版 (2019年4月30日発売)
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本棚登録 : 192
感想 : 16
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人間・自然・情報の関係性を捉え直すための本。
その糸口となっているのが「環世界」という概念だ。それが、この本の元となった、著者たちのクローズドなディスカッションの場「情報環世界研究会」の根底にある、人間を捉える視点となっている。

コロナ禍は、人々に、自分が「閉じた環世界」にいることを、強制的に意識させている。だからこそ、自分の環世界で通用してきた感覚・運動器官が、今までと同じようには使えない。
このような状況から抜け出し、環世界を構築し直すためには、“自分でないもの”の存在が不可欠だ。他者を感じ・他者に関わり・他者と創ることで、自分が新たな「開いた環世界」の住人になるのだ。
自分に非ざるものと、共に生きる社会をつくるために、「環世界」は必要な考え方だ、と私は思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 吾唯足知
感想投稿日 : 2020年7月30日
読了日 : 2020年7月29日
本棚登録日 : 2020年7月30日

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