赤白つるばみ 上 (愛蔵版コミックス)

著者 :
  • 集英社 (2014年12月25日発売)
4.41
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本棚登録 : 209
感想 : 12

おおおお…まき先生の長編が…再び読めるとは…とは…生きていて良かった…ありがとう神様…いやまきさん…(感涙)。しかも上下巻…あああああ…ああ…(崩)。

失礼ながら単行本派であるため、本誌掲載はチェックしておらず、どんな内容かとかわからないままひたすら単行本化を待っていた訳ですが、こんなに長編漫画らしい長編漫画だとは思っておらず。いや、最近エッセイとかイメージ漫画とかが多かったので、もうこういう漫画を描く気はないのかと…。

帯に「『KISSxxxx』の世界観を継承する」と書かれていたけれど、確かにこのふわりさらりと淡々とした日常だけれどどこか非日常的な世界で、実は硝子の欠片の上に真っ白なシーツをかけた上を裸足で歩いている感じがしても「それがあってもなくてもどうでもいいでしょ」という気安さで、どこか風変わりだけれど有り様はとてもシンプルで、そのくせ毎回服も髪型も違うのが悔しいくらいお洒落で、でもそれが何も無かったとしてもカッコイイのがまた悔しくて、憧れずには居れないけど憧れちゃいけないような世界はまぁ確かにそうなんだけれど、それだけじゃない。
大抵大きなシリーズを書いてしまうと、どうしてもそれと比較されがちだし、どうしてもそれを意識してしまう気がするけれど、そんなことは全く関係なく、微塵も思い出させる事無く、同じようでいて違うこの物語にするっと入り込めた事に感動。もともと帯の文をあんまり読んでいなかったので(え)、読み終わってから見て「ああそういえばそうだった!確かに!」と合点したので。
むしろ帯で言えば「17年振り待望の長編単行本!」という方が感慨深かった…。

そう考えてから改めて感想をと思うと、どうしてもKISSを引き合いに出さざるを得なくなる気もしますが、とりあえず「コタロー」は一瞬「ミチロー」かと思って「え、何?パラレル?」と二度見しました(笑)。
今も昔もまきさんの描く全部が好きすぎてどこがいいとか何とも言えないのが正直な所でもあり。

【結論】まきさん好きなら読めば良いよ。

「上巻」というからには「下巻」で終わってしまうのが少し寂しい気もしますが。派手な内容ならまだしも、日常系はもうちょっと見ていたいなぁと。
やっぱりイラストもイメージ漫画も大好きだけど、とにかく「漫画という形式で紡がれる物語」は別格なので、また読む事ができて幸せです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2015年1月4日
読了日 : 2015年1月4日
本棚登録日 : 2015年1月4日

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