若葉の-少年期 (ミリオンコミックス CRAFT SERIES 51)

著者 :
  • 大洋図書 (2012年4月26日発売)
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本棚登録 : 374
感想 : 26

商業BL。眼鏡と人気者。思春期。というとどうしても『同級生』シリーズとかぶるんじゃないかと思いつつも、橘・北畠コンビのしっとり澄んだ世界観の中でも特に学生ものが好きなので、小説はいろいろあるけど漫画は珍しいかなと。しかし1冊完結かと思いきや、続くんですね。「1巻」とかじゃなくて「少年期」とかで分かれてる辺りもちょっとかぶるなぁなんて思いつつ読み始める。

けれどもどうして橘作品はやはりひと味違う。那智は普通の眼鏡くんかと思いきや、かなりギリギリの天然というか日常生活に支障をきたすくらいのまっすぐさ。無口で無表情なおかげで周りからも「マネキンくん」と一歩距離をとられている感じもあるけれど、いじめられているというより見守られているような感じ。けれど「友達」と言えるような人はいない。髪型が七三でちょっと笑える(苦笑)。
人気者の真里谷はそんな那智のまっすぐさに惹かれるが、二人は「友達」と言うには強すぎる独占欲でお互いを思う。

序盤はそんな少し異質な「ともだち」である二人の現状。後半からはそうなった過去の経緯の話。二人の動きも気になるけれど、棗・彼我・杏奈などまわりのキャラクターの動きも気になる。

橘さんの淡々とした独特のリズムは、漫画になってもきちんとそのまま再現されている。「学生」というのは、その時だけの貴重で一瞬の濃密な時間というのが大切だと思うのだけど、明日美子さんの学生はその爽やかで甘酸っぱいキラキラした時間を見せてくれる。橘さんは「学校」という社会の閉塞感にもがきながらもその中で日々を過ごしていく。
そんな貴重な時間を共に過ごした上で大人になった幼馴染ってのもまた好きなんですがって話が逸れましたが、続きが楽しみってことです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2012年12月10日
読了日 : 2012年12月6日
本棚登録日 : 2012年12月10日

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