ふる

著者 :
  • 河出書房新社 (2012年12月6日発売)
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本棚登録 : 1294
感想 : 195
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今ドキネームの花しすちゃん。
そんなことを考えながらページを開いたら、
あっという間に本の世界に引き込まれていきました。

自分がどう回りから見えているか。
本当の自分て何なのか。
普段、本当の自分を隠しているわけではない。
でも、自分を演じている自分の自覚もある。
「こういう人」と決められた枠組みに安心して、
そして相手も「こういう人」と決めてかかって安心して
「今」が過ぎるのを息をひそめて待っている自分を
指摘されたような気がしました。

通り過ぎていく「今」。
忘れてしまっているけれど、確かに存在し、積み重ねてきた「今」。
たくさんの「今」がこのわたしを作り、友人を作り家族を作り、
見えているものが本物かは分からないけど
ひとまずここでこうして生きている。歩いている。
当たり前のような顔で存在しているけれど
ものすごい確率で成り立っているこの世界。

普段見えることのないこの世界の横顔を
そっと教えてくれるような気がします。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 文芸単行本
感想投稿日 : 2013年8月24日
読了日 : 2012年12月6日
本棚登録日 : 2013年8月24日

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