明治神宮の創建をめぐる、当時の世相を三流新聞記者の目から描いた作品。
日光東照宮のような荘厳な針葉樹の杜を求める政府に対して、当時の林学者たちが東京の地質にはスギやヒノキは向いていないと真っ向から反対し、150年後の完成を目指してさまざまな樹木を計画的に植林していった話には以前から興味があった。
本書はそのような、東京に人工の森林と神社を建設する、という壮大な計画に挑んだ人間の苦労をもっと描いた作品かと思ったが、結局、天皇とは何かを問い続ける市井の人々の心模様に焦点をあてており、期待と違った。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
文学・評論
- 感想投稿日 : 2017年2月19日
- 読了日 : 2017年2月4日
- 本棚登録日 : 2017年2月19日
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