ジェノヴァの牢屋の中で、囚人たちの退屈を紛らわせているのは、百万(ホラふき)のマルコことマルコ・ポーロが若い頃に大ハーンに仕えていた時の不思議な冒険譚。
黄金を自国のものと交換したり持ち帰ることのできないジパングから、どうやって黄金を持ち帰ったのか、など13のミステリー短編が収められている。謎解きというよりも頓智というか、人間の心理的な盲点をついた”頭の体操”的な話が多い。そういう意味では、同じ作者の『D機関』シリーズにも通じるものがあるが、本書はもっとライトな雰囲気で楽しめる。
米澤穂信氏がテレビ番組で推薦していた作品だが、変化球好きの米澤氏がいかにも好きそうな話がたくさん詰まっていた。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
文学・評論
- 感想投稿日 : 2016年6月12日
- 読了日 : 2016年6月5日
- 本棚登録日 : 2016年6月12日
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