ピーター・パン・コンプレックス

  • 扶桑社 (1994年10月1日発売)
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首尾一貫した論文というか著述というより、なにかの折に雑誌等に投稿されたものをまとめた、という感じがする。
そのわりには重複はないから、配慮されているのかな。

 スピリチュアリズムから子供の躾、リーダーシップ論(これはなかなか面白かったので出典が知りたい。が、参考文献表がない)、性的な話まで話題が多岐にわたる。
そもそもユングからしてスピリチュアリズムと言えなくはないけれども。

 自分は男性ではないし、それほど成熟してもいないらしく、理解が難しかった。また時間をおいて読み直してみたいと思う。

>>ピーターパン人間は彼が認める以上に意気消沈することが度々ある。その完全主義と否定のために、自分の人間としての力を率直に認識するのが困難なのだ。そして自分の力がコントロールできなくなると、自分は超人であると信じ始める。結果は、他人や、妻や子供との間にさえも目に見えないプラスチックの壁を築くことになる。ピーターはそのプラスチックの監獄のなかでとても孤独だ。p15

 この本では日本には「ピーターパン・シンドローム」は存在しないなどと書かれてましたが。
 日本では過去、40~50歳台の男性の自殺率が圧倒的に高かったのです(コロナ期は女性の自殺が多くなって話題になっていましたが)。これは連帯保証人とか、住宅ローンを組む際の保険とかの社会問題もありますが、このピーターパン・シンドローム問題も根深く存在するんじゃないかと考えています。

 全男性のうちにピーターパン男性の占める割合を比較したら(笑)、日本は高いほうなのではないかと思います。だから、労働時間が長い割には、生産性が低いと批判されることになるのではないでしょうか。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ピーターパン・シンドローム
感想投稿日 : 2023年8月19日
読了日 : 2023年8月19日
本棚登録日 : 2023年8月17日

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