上条慎吾、というひとを追悼するために書いたのかな、と思うけれど、(モデルがいるのかどうかはわからないけど)そのわりには上条の魅力が伝わってこない。
何かを創り出したくて、できなくて、教師や評論をやっている自分を恥じている。異国で知り合った女性に惹かれ、でも家庭を捨てることはできず、どちらも傷つける。
外では、人たらしだったっぽい。
それと、終始、上条の妻のことが悪し様に書かれているのがとても気になる…
オ前ガソノ時本当ニ欲シカッタモノハ何ダロウ。 平和ナノカ、眠リナノカ、タダオ前ヒトリノ孤独ナノカ。
自死した娘に対しての、上條の呼びかけが、じわじわくる。結局は「孤独」についてのはなしなのかな。
「形見分け」の方がおもしろかった。
海辺の洋館、記憶喪失の画家。
画家とふたりで閉じこもることを選んだ「さっちゃん」。
ミステリになりそうな予感が好き。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
未設定
- 感想投稿日 : 2024年2月27日
- 読了日 : 2024年2月27日
- 本棚登録日 : 2024年2月27日
みんなの感想をみる