城郭考古学の冒険 (幻冬舎新書)

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  • 幻冬舎 (2021年1月26日発売)
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 馬出し文化は世界共通!
 城郭考古学者の著者が「お城」について語り尽くす一冊。城郭考古学の紹介から、城郭探訪の誘い、日本と世界の城郭の共通点と差分点を解き明かし、現代に残る城郭の、数々の「今そこにある危機」を指摘する。

 天守があって石垣がある、そんななんとなくでイメージする所謂「お城」が、極めて短い期間に成立・伝播した「織豊系城郭」であること。そしてその構造そのものが、織田信長を初めとする天下人や戦国大名が、目標とする政治体制、支配体制のイメージを具現化したものである、と解き明かす。

 熱量と軽妙さを併せ持ち、おりおり露骨に沼に引っ張り込もうとする、読んで楽しく、出掛けたくなる著作。実際読んでる最中、近所の山城跡に出掛けてきてしまいました。楽しく学べる一冊です。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年8月8日
読了日 : 2021年8月8日
本棚登録日 : 2021年6月20日

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