アルベール・カミュが処女作として書き、生前日の目を見なかったが、あの「異邦人」のベースとなったと言われる作品。
主人公のメルソーは恋人との関係を持つ、両足の無い不具者で有り富を持つザグルーについての会話の中で金と幸福についての相関性を説かれ、自分の人生を馬鹿にされたとの思いを持つ。
ザグルーを射殺したことにより、その富を奪い取り、富による幸福を目指し、放蕩をする。最終項に於いてメルソーは死に至るが、奪った富により得た幸福な生は、その死を幸福にしたか、決定的な彼の言は無いので、読者に委ねられる。
カミュがまだ若くその生活に貧困があった事から求めを小説の中で描きたかったのだろうけど、「異邦人」ほどの哲学性は残念ながら見つけられなかった。但し文体の煌めきはこの頃から際立ってはいると思った。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2022年1月24日
- 読了日 : 2022年1月24日
- 本棚登録日 : 2022年1月24日
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