現代アメリカ文学の傍流に当たり、村上春樹作品の様に同様な幾分不思議さとファニーさ、そしてそれらを含むからこその愛おしい人生の真実にまつわる物語として自分は読んだ。
ベリー家の人々にまつわる不思議な事象と彼らに関わるストレンジな人々との交流。時に物語は海を遠く越え、悲劇も生まれるのだが、幾つかの悲しみについてどうあってもそれを乗り越えるためには、物語の中の言葉としてある、「開いた窓の前で立ち止まってはいけない」という主人公祖父の家訓めいた言葉に収束されるのだろう。
愛すべき人々が自分であることの懊悩を抱えながらも彼らの人生を愛らしく生きる様!それはしかしアーヴィングにかかると少しも悲劇的な表現にならない不思議さ。なんだか、そう、それは不思議でとても愛おしい気持ちにさせられる小説でした。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2021年4月25日
- 読了日 : 2021年4月25日
- 本棚登録日 : 2021年4月25日
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