真犯人 (小学館文庫 し 6-10)

著者 :
  • 小学館 (2018年8月7日発売)
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本棚登録 : 362
感想 : 40
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事件発生時、事件発生から14年後、41年後の三つの時間を描く。
本編は14年前の捜査に多くを割いている。
新たな証拠が上がるから操作が進展するのではなく、新たな視点から事件を眺めることによって、事件の新たな筋を見つけていくという事件にも、操作陣にも照明を当てた物語。
操作陣に設けられたのは悲しい最後、事件の結末は悲しいものだが、たくさんの謎を一つ一つ丁寧に解いていく様子を緻密に描写していく文章をたどっていくと、やっと本当の真犯人、結末にたどり着いたというため息が出る。
達成感というのとも、感動というのも違う、のめり込んでいるが客観的に見ている気がして、ちゃんと終わったことを見届けたという感じが他の作品では味わえない感覚だった。
飽きさせない謎や人間関係等がストーリーに散りばめられていて飽きることなくエンディングまで一気に読めた。
本作のような面白い作品に会えて良かった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ミステリー
感想投稿日 : 2020年5月11日
読了日 : 2020年5月11日
本棚登録日 : 2020年5月11日

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