赤い雨 (幻冬舎文庫 と 3-1)

著者 :
  • 幻冬舎 (2000年10月1日発売)
3.07
  • (3)
  • (4)
  • (16)
  • (6)
  • (1)
本棚登録 : 76
感想 : 16
3

赤い雨が降ると人々が変わっていった。
いじめ、やくざ、詐欺商法などに泣き寝入りしていた人達が「私刑」を下す。
そんな中遂に未成年犯罪者が、テレビカメラの前で無惨に処刑され、中継を観ていた人々は狂喜する。
理不尽な動機で命を奪われる事件があると、こんな処刑があってもいいのではないか?と最初は思った。
コロナ禍の現在遊びにも旅行にも行けず、会いたい人に会えず、おうち時間が増え、マスク警察や反ワクチンに騒ぐ世の中で鬱憤が溜まり、煽り運転、通り魔的事件や自死も増え、日本ってこんなに物騒だったかと日々感じ、私達も見えない赤い雨を浴びているのではないかと怖くなった。
嬉々として私刑に参加する夫から逃げた志穂は、同じく赤い雨を浴びて居ない元警察の芹沢と出会う。
おかしくなった妻から子供を守るために逃げていた芹沢と、子供を死産したばかりの志穂。
追い詰められていくラスト・・・はもう少し続きが読みたかった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年10月25日
読了日 : 2021年10月25日
本棚登録日 : 2021年10月25日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする