「ましてや、イスラムの国などひとつもないではないか、「国際社会」などというものは、しょせん西欧社会がつくりあげたまやかしにすぎないではないか、というところをビンラディンの主張は鋭くついている。」
バーミアンの大仏が破壊されるまでに、タリバンが歩んできた過程とアフガニスタンにおけるビンラディンの存在感について書かれている。
多くの地位の高い人々が赴くのだから、タリバンは大仏破壊の命令を中止するだろうとすることこそ、西欧社会の驕りではないか。その点では、それら権威に流されなかったイスラムの指導者はイスラムの指導者としてふさわしかった。もちろん、大仏破壊がイスラムの教えとして本当に信じて行われた場合は、である。
ビンラディンの私念を果たすために行われたのなら、その大仏破壊は間違っていただろう。個人の野望のために、世界中の人々の宝が壊されて良いわけがない。
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- 感想投稿日 : 2014年10月26日
- 読了日 : 2014年10月25日
- 本棚登録日 : 2014年10月25日
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