ソフトクリームを持って哀しげな顔をしているおじいちゃんのイラストが
書かれている表紙が強烈。
もうろくしかけているおじいちゃん俳優がスパイスガールズを全力で
熱唱する所や、完全にいじわるとしか思えない長セリフにNG出しまくる
シーンは面白すぎる。ただ笑えるだけでなくて人間の黒い部分や孤独を
感じるところもあって、コメディとシリアスのバランスが絶妙。
楽しく読めたんだけど、ちょっともやもやする所もある。
テーマが見えづらいし、かと言って完全に娯楽小説に振り切れている
わけじゃないし。心のない、即席の「関係」や「善」なんて結局
すぐ壊れちゃうのよって事なのかな。
松尾スズキの作品だから尖った面白さがあると信じているけど
もしこの違う作家の作品だったら「で、一体何だったの?」としか
思わなかったかも。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2013年4月10日
- 読了日 : 2013年4月10日
- 本棚登録日 : 2013年4月10日
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