選択の科学

  • 文藝春秋 (2010年11月12日発売)
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「いろんな勉強をすると、人生の選択の幅が広がるのよ。」 小さいころ、母は私によくそう言っていた。幼い私はただ新しいことを知るのが面白かっただけで、あまり勉強することの意味について深く考えたことはなかったけれど、「選択の幅が広がる」という考えかたは、なんとなく心に刻まれていた。

とはいえ、選択肢というのは増えれば増えるほど迷いは深まるもの。なにを隠そう私はあれこれ迷う性格。それでも不思議なことに、大きな決断をするときは、散々迷った末に、最初の直感に従うほうが失敗が少ない。そんな自分の心の動きをつねづね興味深いなあと思っていたのだけれど、この一冊は、そんな私の多くの疑問に答えてくれた。

筆者シーナ・アイエンガー教授の存在を知ったのは、NHKの「コロンビア白熱教室」。美しく聡明で盲目の彼女。両親は着るものも配偶者も自分で決めることのできないしきたりを持つシーク教徒である。その彼女がアメリカで成長しながら自らも多くの人生の選択を行うなかで「選択の持つ力」を知る。数々の実証実験と研究によって明らかになる、私たちの心の動きと選択の関係には、意外なものもたくさんある。選択肢あふれる現代に生きる私たち。これを読むと自分の人生の選択を振り返っちゃうかも。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2013年4月21日
読了日 : 2013年4月21日
本棚登録日 : 2013年4月14日

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