堕落論 (集英社文庫)

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  • 集英社 (1990年11月20日発売)
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(趣旨)
1. 人間は堕落する。そんな人間を戦闘にかりたてる為に、武人は武士道をあみだし、軍人政治家は天皇を担ぎ出した。

2. 敗戦後、天皇の絶対性は廃止され象徴化に変わり、武士道は滅びた。町に目をやれば、未亡人は新たな出逢いに胸を膨らませ、特攻隊の勇士は闇屋に転じている。

3. このように人間が堕落したのは戦争に負けたからではない。人間だから堕落したのだ。

4. しかし人間は困難には脆弱なため、堕落し切るには弱すぎる。弱いから統率を図るため結局また武士道や天皇を担ぎ出そうとするだろう。

5. 人間が本当の自身を発見するためには堕落し切ることが必要だ。これが自身を救うことにつながる。天皇の絶対性及び武士道の復活、また政治による救いなどは愚かである。

(個人的な意見)
1. 人間は堕落するものである。そんな自分を律するのは、自身の持つ強い心である。

2. とはいえ、人間は常に強い心を持てるわけではない。

3. そこで大事なのは自身を励まし応援してくれる友の存在である。落ち込んでいるとき、友の信頼に応えようとするこで自分を奮い立たせる勇気が湧き、自分を律し前進することができるはずだ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2020年1月9日
読了日 : 2020年1月9日
本棚登録日 : 2020年1月9日

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