あなたが(私が)期待に胸膨らませて、ある組織に所属したとする。
仕事は確かに過酷だが、頼れる先輩や愉快な同僚もいる。コツコツと知識を学び成長する機会も与えられる。悪くはない。
だが、徐々に闇が見えてくる。仲間のうち誰かを犠牲にすることで1年を無事に過ごせる異常さに気づく。これは逃げ出すしかない。
だがしかし、頑張った甲斐もあって上の覚えもめでたく、管理側にまわれるチャンスが来たら?
ここで裏切れば、辛いことにも耐えて身につけた力の全てを失うというのに、誘惑を感じないと言い切れるのか?
クラバートの迷いなき覚悟が眩しい。
物語がクライマックスを迎えたとき、待っていたのは魔法の対決ではなかった。
暖かく静かな幕切れもまたよい。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2023年5月3日
- 読了日 : 2023年5月3日
- 本棚登録日 : 2023年3月25日
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