「恥とは確かに、生き延びようとする人間のための感覚で、どうしても、この世界で生きたいと願うなら、捨て去ることの出来ないものだった。受け容れられたいと微塵も願わない人間が、どうして恥に苦しむだろうか?それは、恐らく悲しみに似ていた。生きよと命じ、生きる道筋を指し示しているにも拘らず、切迫するほどに、生きること自体を断念させようとする声とつい取り違えてしまう、一種の苦痛だった。」
消化しきれない大作。めちゃくちゃ面白い。あまりにも多くのことが起こりすぎて、多くの人が語りすぎて、拾い切る事ができない感情の束の中で、個人はどこまで自分を分化してもなお自分でいられるのか考えさせられる作品だった。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
文芸
- 感想投稿日 : 2013年8月14日
- 読了日 : 2013年8月14日
- 本棚登録日 : 2013年8月14日
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