吸血の家 (講談社文庫 に 22-4)

著者 :
  • 講談社 (1999年7月1日発売)
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感想 : 43
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ー こうして、この奇怪な殺人事件は、私たちが愛読するジョン・ディクスン・カーの『三つの棺』の冒頭の章とよく似た出来事で幕をあけた。しかもこれは、数々の凶悪犯罪を解決に導いた名探偵二階堂蘭子の事件簿の中でも、特に《足跡のない殺人》という謎に真っ向から挑戦した異色のものになった。

一般的に言って、不可能犯罪には、《鍵のかかった部屋》とか、《人間や物体の消失》とか、《不可解な死》とか、あるいは《姿なき殺人者》といった困難極まる謎が存在する。その中でも、柔らかい砂の上やまっさらな雪の上に足跡を一つも残さずに殺人を犯していく者の話は、現象が単純できわめて明確なだけに、かえって我々をひどく困惑させる。 ー

二階堂黎人の実質的な初長編ミステリー。
ミステリー好きの為のミステリー。

一族への呪い、美しい三姉妹、病弱な娘、霊媒師、雪の足跡、泥濘の足跡、密室、日本刀、そして名探偵!素晴らしいガジェット!

横溝正史的世界観の探偵小説。
25年前の作品でもはや古典だが、懐かしくて面白かった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2019年5月18日
読了日 : 2019年5月18日
本棚登録日 : 2019年5月18日

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