二年くらい前に買ったやつを久しぶりに読みなおしてみた。
現代用語に関する用語(カテゴリーなど)を、主に年代順に解説している本。
前に読んだ時は、やや内容が難しくてパラパラとしか目を通さなかったのだけど、久々に読んでみたら刺激的だった。
特に興味を惹かれたのは、(他者)表象に関する議論やフェミニズム、ポストコロニアリズムと交錯する内容。
西洋(キリスト教、白人)の(ヘテロ)男性中心に語られてきた美術の歴史を、「他者(マイノリティ)」の視点を通して脱構築する、という議論は文学批評とも関連して面白い。
前に読んだ時にイマイチとっつきづらかったのは、こうした美術(アート)批評というのが、関連した広範な知識を必要とするからで、つまり、そうした知識がない状態でこれだけ読んでもピンと来ないのかも。
それらを勉強した上でこれを読めば、鑑賞の仕方も変わって理解が深まるのだと思われる。
しかし「結局のところ、それってインテリ向けの作品解説でしかないじゃない」とか思うと複雑でもある。「アートを理解すること」が想定する中心の外部から、他者はいかに作品を読み解く(読み解ける)のだろうか。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
思想・社会
- 感想投稿日 : 2012年1月24日
- 読了日 : 2012年1月24日
- 本棚登録日 : 2012年1月24日
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