面白かった!!!
さすが森博嗣さん。
「すべてがFになる」を読んで森さんの作り出す世界に、いつのまにか入り込み我が家の壁までが真っ白な研究室のそれに感じたくらい一気に読んだ、あの感覚が戻ってきました!!!
いやぁ、、、面白かった。
来たるべき未来。
人間はウォーカロンという人工知性体を作り出し、苦役や単純作業、さらにはペットのような癒しの対象まで生活のあらゆる場面を担う「ロボット」?を作り出す。一方、自らの体は細胞交換で不死のように長生きする術を得るのだが子どもが生まれないという時代になるという設定なのです。
「これって、かなり今の科学技術に対して警告を発しているよね」と思いながら読み進みます。
「生きるとは何か」「死ぬと何か」そして「人間とは何か」なぜ人間でなければならないのか、、、などなど究極の質問を直球で投げてくる著者。
読者である私はタジタジになりながら、ジャストミートを試みるも投げられたボールはみんなコロコロとあらぬ方向に転がっていくようなそんな不安を覚えながら読みました。
それくらい、この本は哲学であり、心理学であり、医学であり工学でありそしてミステリーであるのです!
途中の謎にも引き込まれるものがあり、
全体として、話の進み方も計算されて、こなれています。
が、
そんな私でも最後の結びこそが森さんの伝えたかったことでは、と確信しました。
それは、
「結局のところ、人の心をどう捉えるかという問題に帰着する。生まれるとは、人間とは、社会は誰のものか、、、、、とりあえず暴力的な行為だけはやめてもらいたい。そんな非生産的なエネルギー消費は不合理だ、、、、、」。(要約です)
今の世の中を穿つ言葉だとしみじみと思いながら本を閉じました。
この本、多くの方が手にとって、それぞれの方がそれぞれの読み方をなさればいいな、、と思いながら今、レビューを書いています
- 感想投稿日 : 2015年10月28日
- 読了日 : 2015年10月28日
- 本棚登録日 : 2015年10月28日
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