社会をよくしてお金も稼げるしくみのつくりかた――マッキンゼーでは気づけなかった世界を動かすビジネスモデル「Winの累乗」

著者 :
  • ダイヤモンド社 (2012年10月19日発売)
3.59
  • (28)
  • (47)
  • (60)
  • (8)
  • (4)
本棚登録 : 603
感想 : 57
5

20円で世界の飢餓と不満を解決する新しい仕組みTABLE FOR TWOの代表である小暮さんの新刊。

平易な言葉を使い、読者に語りかけるような文調だったので、自分の中に自然と内容が入ってきた。
この本の優れた所は、NPOやNGOなどの非営利組織に限らず、一般企業にも言及しているところ。社会貢献に関する本として終わらずに、ビジネス書にもなっているところ。
その一番の理由は、企業の分析でよく使われるフレームワークの3Cから派生する5Cという考え方で話を展開しているからだと思う。

5C;Winの累乗を実現すべき5つの分野
1.Company: 自社の従業員・一緒に働く仲間
2.Customer: 消費者・顧客
3.Community: 一般社会・進出先の国や地域
4.Contributor: 出資者
5.Cooperator: 提携・協業者

ある活動をする際には、その活動を一緒に行う仲間がやりがいを持って、いきいきとした形で働き、その活動が直接的に消費者や顧客のためになり、かつ、直接的な顧客だけでなくその活動を行う社会や地域にとってもプラスになり、その活動を応援してくれる人達(出資者)も自分たちがその活動に関われていることに対して誇りを持ち、共通のミッションを持つ協業者と協力することで、その活動を更に大きくして、社会に貢献する。

従来の2者間でのWin-Winの関係ではなくて、関わる人達に全てがWinの関係(Winの累乗)になる可能性があることを本書では示唆している。

特に、CompanyとCooperatorの視点が自分にとって為になった。
顧客満足は、自分たちの従業員の犠牲の基に成り立ってはダメだし、一緒に働くのであれば楽しんで働きたい。
そして、同じような活動を行っている相手は戦うべき相手ではなくて、
協力すべき相手。
人の役に立つ、それが真のミッションであれば協力出来るはず。これから、求められる考え方は、生き抜く考えではなく、共存する考え。

自分の仕事についても、常にWinの累乗を意識して働きたい。

今の仕事について考えたい人には、特にお勧め。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2012年11月10日
読了日 : 2013年5月14日
本棚登録日 : 2012年10月22日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする