攻防900日 下: 包囲されたレニングラード (Hayakawa Nonfiction MASTERPIECES)

  • 早川書房 (2005年12月1日発売)
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感想 : 2
3

上巻からの続きて、読んだが、上下巻で、1000ページで大変だった。下巻まで、読んだが、レニングラードは、包囲されて100万人ほどが、死亡したということである。特に、41年から42年の冬の餓死が悲惨であった。このような悲惨な状況も驚きであるが、なんと、当時のソビエトは、この状況を正確に書いて出版すると発禁処分にして、また、公式の文書にも入れなかった。また、レニングラードの劇、脚本にも真実を隠すように修正を強制し、発表したものは、シベリアに送られたみたいである。私は、レニングラードがこのような悲惨な状況だったとは知らなかった。驚きである。戦後になってもソビエトは、このような状況を発表しようとしなくて、さらに、公表も妨害していたみたいである。そのような状況で、著者は、よく、このように描くことが、あるいは、当時の状況を集めることができたと思う。でも、このような包囲された状況でも、レニングラードは、戦車を生産して、モスクワに送っていたとは、驚きである。ラドガ湖経由で、細々と輸送されていたとはいえ、ドイツは、直接にレニングラードを攻撃するよりも、しっかりと包囲を完成させてフィンランド軍と手をつなげていれば、また、話が違ったと思った。ドイツも甘かったが、包囲されたレニングラードもわずかのラドガ湖経由の補給路を整備していくところが、すごいと思った。でも、包囲を突破される状況をもう少し詳しく書いてくれればなおよかったと思った。また、レニングラードを守り切ったジダーノフらをソビエトは、失敗を隠すために、戦後に粛清して、消し去るところも凄いというか、ソビエトらしいと思った。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 軍事
感想投稿日 : 2018年2月23日
読了日 : 2018年2月23日
本棚登録日 : 2018年2月23日

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