魔界転生下巻。対宝蔵院まではとても面白く、先を読みたくて仕方がないほどの吸引力があるのですが、その後が、面白いは面白いものの、少し単調になってしまうのが難点かなと思います。
魔剣士対十兵衛→なんらかの理由があって十兵衛に有利な事情が生じ、十兵衛が勝つ、というのを繰り返していくので驚きがなくなってしまうのです。
特に十兵衛と関係のある又右得門や如雲斎、但馬守の扱いをもう少し工夫すればもっと面白くなったのではないか、と思ってしまいます。
そういう意味では、但馬守を実質ラスボスに据えた深作版の方が、魔剣士の扱いは良かったかなと思います。
また、柳生十人衆や三人娘など人数は多いため話の焦点が散ってしまうのもちょっと惜しく感じます。これらのキャラクターではなく、本作に出てくる子供時代の関口弥太郎のように、有名な人物をうまく使っても良かったのではないかということがふと脳裏をよぎりました。たとえば、宗冬や連也などの有名人物を使って、話を回したら面白いのではないかな、と思った次第です。
とはいえ、やはり強いパワーを感じる作品で、定期的に読みたくなる作品です。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
歴史小説
- 感想投稿日 : 2016年10月2日
- 読了日 : 2016年10月2日
- 本棚登録日 : 2016年10月2日
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