ルービンって聞いたことあるけど何もんやねんって感じでしたが、財務長官だったわけね。しかも、ゴールドマン・サックスの共同会長まで上り詰めて、そっから財務長官。
本書では、彼のゴールドマンでの経験や、財務長官時代の経験をもとに、メキシコ危機や、アジア通貨危機についてのアメリカ政府、財務当局の意思決定行動が詳しく述べられているて興味深く参考になる。ただ、当局の主体者が述べたものなので、例えばアジア通貨危機に対する行動の、より客観的評価、よくささやかれるアメリカのウラの真意などが述べられておらず、キレイごと感はあるのは否めない。
ところで、いくらゴールドマンの会長にまでなった人間とはいえ、バリバリのウォールストリートの人間が大国の財務長官なんて務まるんか?って疑念があり、且つ本人も政治に対する不安があったみたいに書いてるけど、忘れてはならないのが、彼はハーバードを主席で卒業した秀才だということ。そして、ウォールストリートで大成したはんぱない金持ちだということ。
アメリカにおいてなら、彼のキャリアを参考に、ビジネスから政治へのモデルケースとして参考になるかもしれんけど、日本の状況においては、どうなんだろね。やっぱり、ビジネスマンから行政分野のトップになるのはコネや血筋がないときついだろうね。勿論、本人の資質次第といえるかもしれないけど。例えばホリエモンもそれなりに財を成したわけだから、政治献金とか言う手口から政界進出を考えても良かったかもしれない。ただ、彼の場合は東大中退だし、そもそも普段の振る舞いが教養がなさ過ぎるから、アメリカでも無理だったろうけど。
いずれにせよ、ルービンのような生き方には憧れる。やっぱハーバード出でないと、世界では学歴なんか通用しないんだろうな。
- 感想投稿日 : 2006年4月11日
- 本棚登録日 : 2006年4月11日
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