魔女の宅急便 (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店 (2013年4月25日発売)
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5

母である正真正銘の魔女のコキリと
父である民俗学者で
普通の人間のオキノの間に生まれた
もうすぐ13歳になる一人娘のキキ。

キキは満月の夜、
独り立ちという魔女の風習に倣い
相棒の黒猫のジジと赤いラジオと共に自分の家を離れ
魔女のいない町を探して
ほうきで飛び立っていく…


うん、やっぱいいわ〜魔女宅!

ジブリ映画の中では
「耳をすませば」「天空の城ラピュタ」に次いで好きな作品だったけど、
改めて原作を読んで
心惹かれました。


好きな場面を挙げると
コリコという大きな町に降り立ち
作り笑顔で町行く人たちに
自己紹介するところと、
(魔女を見たこともない町の人々の冷たい視線…)

ジジが無くしたぬいぐるみの代わりに
鳥かごに入って
ぬいぐるみのフリをするところ、
(笑えます)

そして、
キキがジジのために編んだ青い腹巻きに大喜びして
ぐるぐるまわりを始めるジジのシーンには
誰もが胸キュン必至でしょう(笑)
(ジジは嬉しいと同じ場所をぐるぐるまわり始めるのです笑)


それにしても
キキを居候させてくれる
「グーチョキパン屋」の
肝っ玉母さんのおソノさんが
ホンマいいキャラしてます。


おソノさんの好意で
魔女の宅急便屋を開業するキキ。

海で子供を助けたり
絵を運んだり
ビスケットを届けたり
秘密の贈り物を頼まれたり
少しずつ町の人々との信用を築いていくキキ。

そして
魔女を研究する
とんぼ少年への淡い恋心。


特に疾走感溢れる
走る急行列車の中から
楽器をとって来る依頼には
手に汗握ったなぁ(笑)
(実は映画「スピード」がパクったのは
魔女宅だったりして〜笑)


魔女が人間を
人間が魔女を
お互いがお互いを分かり合おうとする姿を描いた物語は
大人にもハッとした気づきをくれるし、

キキという少女の自分探しの物語は
知識を頭に入れるだけでは
人間は絶対に変わらない。

人が変われるのは
立って何かをした時だけだということを
西へ東へ奔走するキキの姿を借りて
教えられたような気がします。

いまさらながら
今後文庫で全6巻刊行予定とのことなので
いやぁ〜続きが楽しみ♪

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2013年5月12日
読了日 : 2013年5月12日
本棚登録日 : 2013年5月12日

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