何度も読みたい広告コピー

  • パイインターナショナル (2011年11月28日発売)
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2011年発表。 


新聞・雑誌・ポスターなどの広告の中で、
商品の機能や企業コンセプトを伝える長い文章
「ボディコピー」にスポットを当て、
100を超える何度も読み返したくなるような優れたボディコピーを
「顧客目線型」「物語型」など
4つのカテゴリーに分けて紹介しています。



最近のものから
一世を風靡した懐かしい作品まで、
タイトルに偽りナシの
さすがプロの仕事と思わせる質の高い作品がズラリ。

そしてヒットした広告の裏話や背景、
制作秘話が聞けるライターによるコメントなど、
作る側の苦労が分かってホント興味深かったです。



コピーに託された最大の命題は、
いかにして消費者の心に訴えかけ
興味を引かせるか。

コピーひとつで
モノが売れたり、
人気が出たり、
人がそこに殺到したり、
流行を作ったりするわけだから、
一流のコピーライターって
ホンマにスゴいなぁ~って感心します。

そういう意味では
コピーを知ることは、
「人に響く言葉」の極意を知ることにも繋がるんですね。



で自分の心を
一瞬にして撃ち抜いたのは…



『死ぬのが恐いから飼わないなんて、言わないで欲しい。』
(日本ペットフード協会) 


『ちょっと言い過ぎたかなと思った夜は、
そっと煮物を出す』
(ヤマサ醤油)


『がんばる人の、がんばらない時間』
(ドトールコーヒー)


『時を旅する道具は、タイムマシンだけではない』
(新生紙パルプ商事)


『巨人軍は不滅か。』
(アディダスジャパン)


『30歳未満は、お断りだね。』
(ホテルオークラ東京)


『紙の上は、ときどき、
地球よりも広い。』
(新生紙パルプ商事)


『日本人に、もっと毒を。』
(宝島社)



かな。 



勿論ボディコピーはキャッチコピーと違い
タイトルのその後に長い文章が続くので、
言葉の持つ覚醒作用も
より効果的に響くんですよね。


物語編では
世のお父さん方が大泣きするような
娘からのバレンタインコピーもあったりして、 
(明治製菓) 


インスピレーションを刺激する 
目からウロコなフレーズのオンパレードなので、

物を書く仕事に携わる人や
ブログやレヴューに手紙など

『何かを伝える』ということに
日々頭を悩ませている人たちにとっては、

傷つけるためではなく、
誰かに伝え、
誰かと繋がりあうための
言葉の持つ力を
まざまざと感じられる至福の一冊だと思います♪

シンプルな表紙と
手垢が付き色褪せた感じにワザと仕上げた装丁が
また憎らしい出来。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: その他
感想投稿日 : 2018年1月27日
読了日 : 2018年1月27日
本棚登録日 : 2018年1月27日

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