打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか? [DVD]

アーティスト : 奥菜恵 
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本棚登録 : 873
感想 : 152
5

1993年、岩井俊二監督で放映された
テレビドラマ。
(その後劇場でも公開)


真っ青な空と
光を反射して
きらきらと煌めくプール。

焼け付くような日差しの中
プールサイドには
白いワンピース姿のまま
目を閉じて寝そべる少女。

彼女の首筋に這うアリにドキリとする少年。


いやぁ〜
何度観ても
岩井監督の映像美にはシビれてしまう。
(なお今作の助監督は行定 勲!)


夏になると何度となく
見返したくなる作品だけど、

最近ではドラマ版「モテキ」で大根仁監督が
あえて原作にはない
今作品のロケ地巡りのエピソードと
満島ひかり扮する中柴いつかちゃんを使った完全再現カットを
ドラマで使用したことでも話題になりましたよね。


花火を真横から見るとどんな形なのか?

丸なのか、
平べったいのか、

子供たちは好奇心に駆られ
真実を確かめに
祭りに繰り出します。


引っ越していく少女の複雑な想いと
名作「スタンドバイミー」を思わす
少年たちの男の友情。


しかし三つ編み姿で浴衣を着た
奥菜恵の可憐なこと。

少女と大人の間を行き来し
彼女の恋心が香る
繊細でいて大胆な演技力には
ホンマ脱帽です。


主演のまだ幼い
山崎裕太も
等身大の素晴らしい演技を見せてくれます。


これを観ると
誰もが持つ
小学校の頃の切ない思い出や
その頃の空気感が
リアルに甦ってきます。


夏休みの友達との浮き足立った会話や
切なさが溶け込んだ花火の匂い、
夜のプールの静けさ、
好きな女の子への淡い想いなど

今考えれば
なんでもないようなことが
キラキラと輝いていた日々。


そんな切ない、
カタチには出来ないものを
そのまま真空パックにした作品です。


元々テレビドラマの為50分と短編ですが
岩井監督お得意の
透明感のある映像も本当に綺麗で
充分に満足させてくれるし、

毎年夏になると
アイスとうちわ片手に観たくなる作品です♪
(今作を観てから
ドラマ版「モテキ」を再見すれば
二倍楽しめますよ笑)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 映画
感想投稿日 : 2013年5月7日
読了日 : 2013年5月7日
本棚登録日 : 2013年5月7日

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コメント 2件

kwosaさんのコメント
2013/05/09

円軌道の外さん!

うわっ、これ助監督、行定勲だったんですね!
それは知りませんでした。なんて豪華な。

これは『If もしも』放送当時、リアルタイムで観て、他と比べて突出したクオリティの高さに驚いた記憶があります(のちに劇場にも足を運びました)。

『世にも奇妙な物語』でも、ちはると豊川悦司で『ルナティック・ラヴ』という作品があって異彩を放っていました。
あれもおそらく岩井俊二だったと思います。

いま考えればTVの現場でこれをやるって、尖っていたんだなぁ。
岩井俊二は、最初から岩井俊二だったんですね。

円軌道の外さんのコメント
2013/05/12


kwosaさん、
コメントありがとうございます!

つか、ええーっ
リアルタイムで見てたなんて
うらやまし過ぎますよ〜(>_<)

しかし岩井監督は
結構テレビでの作品も残してるんですね〜(驚)

自分が岩井監督を
最初に意識した作品は
確か中山美穂の
「Love Letter」だったと思います。

まるで夢の中にいるみたいな
儚くて美しい映像に
すっかりハマってしまって、
一体どんな顔の人なんやろって(笑)調べたら
映画監督のイメージとはかけ離れた
結構綺麗めなイケメンで
ちょっとビックリしたんですよね(笑)

あと「リリィシュシュのすべて」と
「スワロウテイル」は
当時ホンマ衝撃的でした(◎o◎)

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