1993年、岩井俊二監督で放映された
テレビドラマ。
(その後劇場でも公開)
真っ青な空と
光を反射して
きらきらと煌めくプール。
焼け付くような日差しの中
プールサイドには
白いワンピース姿のまま
目を閉じて寝そべる少女。
彼女の首筋に這うアリにドキリとする少年。
いやぁ〜
何度観ても
岩井監督の映像美にはシビれてしまう。
(なお今作の助監督は行定 勲!)
夏になると何度となく
見返したくなる作品だけど、
最近ではドラマ版「モテキ」で大根仁監督が
あえて原作にはない
今作品のロケ地巡りのエピソードと
満島ひかり扮する中柴いつかちゃんを使った完全再現カットを
ドラマで使用したことでも話題になりましたよね。
花火を真横から見るとどんな形なのか?
丸なのか、
平べったいのか、
子供たちは好奇心に駆られ
真実を確かめに
祭りに繰り出します。
引っ越していく少女の複雑な想いと
名作「スタンドバイミー」を思わす
少年たちの男の友情。
しかし三つ編み姿で浴衣を着た
奥菜恵の可憐なこと。
少女と大人の間を行き来し
彼女の恋心が香る
繊細でいて大胆な演技力には
ホンマ脱帽です。
主演のまだ幼い
山崎裕太も
等身大の素晴らしい演技を見せてくれます。
これを観ると
誰もが持つ
小学校の頃の切ない思い出や
その頃の空気感が
リアルに甦ってきます。
夏休みの友達との浮き足立った会話や
切なさが溶け込んだ花火の匂い、
夜のプールの静けさ、
好きな女の子への淡い想いなど
今考えれば
なんでもないようなことが
キラキラと輝いていた日々。
そんな切ない、
カタチには出来ないものを
そのまま真空パックにした作品です。
元々テレビドラマの為50分と短編ですが
岩井監督お得意の
透明感のある映像も本当に綺麗で
充分に満足させてくれるし、
毎年夏になると
アイスとうちわ片手に観たくなる作品です♪
(今作を観てから
ドラマ版「モテキ」を再見すれば
二倍楽しめますよ笑)
- 感想投稿日 : 2013年5月7日
- 読了日 : 2013年5月7日
- 本棚登録日 : 2013年5月7日
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