1981年公開のアメリカ映画。
B級ホラー映画専門の音響技師ジャックが
屋外で効果音を録音中、
不可解な車の転落事故を目撃し
車に乗っていた男女を救出するが
男の方は亡くなってしまう。
死んだ男が次期大統領候補だと知ったジャックは、
音を頼りに自ら捜査を進め、録音していたテープから
一発の銃声を聞きとめる。
事故に疑問を抱き始めた彼は、
生き残った女性サリーと共に事件の真相に近づいていくが、
そんな二人にも命の危険が迫っていた…。
監督はヒッチコックオタクのブライアン・デ・パルマ。
音響マン役には
まだスリムで若々しいジョン・トラボルタ。
ヒロインには
デ・パルマの妻であり
初期のデ・パルマ映画には欠かせないキュートな女優
ナンシー・アレン。
タランティーノも大絶賛した、
(彼の好きな映画ベスト3に入るらしく
その縁か後にトラボルタを『パルプフィクション』に起用し再ブレイクへと導きます)
とにかく切な過ぎるサスペンス映画の傑作です。
学生時代にヒッチコック繋がりで
デ・パルマにハマって
彼の隠れた傑作ということで観てみたけど
強烈な余韻を残す
ラストの衝撃はハンパなかったなぁ〜(>_<)
これだけ切なさを持って胸に迫るサスペンスは
未だかつてありません。
今も語り継がれる
クライマックスの
祝祭の花火舞うシーンは
ピノ・ドナジオの
哀感溢れる旋律と共に
ロマンティシズムあふれ
サスペンス映画史上に残る映像の美しさと儚さ。
得意の分割カットや
360度回転するカメラワークなどの演出も
さすがデ・パルマという凝りようだし、
音にこだわり、
音だけを頼りに事件を推理していく秀逸な脚本も含めて、
マニアな映画好きであればあるほどニヤリとできる
映画好きのための
映画らしい映画と言えます。
主人公がB級ホラー映画専門の音響技師という設定や、
ちりばめらた伏線も抜群に巧くて、
すべてが繋がる痛切なラストシーンは
ジャックの苦渋の決断を思えば思うほどに
激しく胸に付き刺さります…(泣)。
- 感想投稿日 : 2011年1月29日
- 読了日 : 2011年月
- 本棚登録日 : 2011年1月29日
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