somewhere [DVD]

監督 : ソフィア・コッポラ 
出演 : スティーヴン・ドーフ  エル・ファニング  クリス・ポンティアス 
  • TCエンタテインメント
3.40
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本棚登録 : 1049
感想 : 191
4

この世のものとは思えないほど
甘美で儚げで美しい映像。

そして全編にちりばめられた
主人公ジョニーの
孤独感や虚無感を
感じさせる
長回しの映像。


今回のソフィア・コッポラ作品は、
ご存知のように
父である
巨匠フランシス・フォード・コッポラ監督と過ごした
幼き日々を投影した、
私小説的で
非常にパーソナルな物語です。


特別劇的なことは起こらないし、
家族の絆を描いた
ストーリー云々より、

美し過ぎる映像と
繊細な俳優たちの表情から、
観る者それぞれが
何を感じとるかの
映像ありきの作品だと思います。



フェラーリに乗り
ポールダンサーをデリバリーし
パーティーに明け暮れる毎日のジョニー。

そんな自堕落な生活に
突然現れた娘。


スケートをしたり
Wiiで遊んだり
2人でうたたねをしたり
プールで泳いだり
料理を作ったり
小説の話をしたり、

しばらくぶりに会う娘の成長を噛み締めるうちに
ジョニーはやがて
自分が無くしてきたものの大きさに
少しずつ気付いていきます。


特筆すべきは
なんといっても当時11歳だった
エル・ファニングの透明感あふれる演技!!
(あの「I am Sam」のダコタちゃんの妹さんです)

リアルに妖精のような彼女を観ていると、
ジョニーでなくとも
自分自身に喝を入れたくなろうというもの(笑)


久々のソフィア・コッポラの作品だったけど、
細部に至るまで
緻密にこだわりながらも、
観客に後はゆだねるといったような
余白を残した作りは
相変わらず一貫してるし、


孤独にうつろう心を描かせたら
彼女の右に出る者はいない監督だと
今回改めて思いました。


人を選ぶだろうけど、
なんにも予定のない休日に
マッタリと
何も考えずに浸りたい作品です


フェニックスや
フー・ファイターズ、
グウェン・ステファニー、
ザ・ストロークスなどを使った音楽も
相変わらずセンス抜群♪

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 映画
感想投稿日 : 2011年10月27日
読了日 : 2011年10月27日
本棚登録日 : 2011年10月27日

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