長年の監察医としての経験と、法医学の立場から
実際に起こった事件を解き明かした一冊。
一般に広く信じられている方法ではヒトはなかなか
死なないことや、死体の色の変化、ファイティング
ポーズをとる焼死体など、興味をひく内容がてんこ
もりで続く。
ただ、事実と推測が混在しているところがあちこち
にあるので、一部説得力に欠けていたのは残念。
そういう意味では、映画や劇画に登場する死体や、
死に方をいちいち分析してみせたところは、そんな
混在もなく、純粋に面白かった。
そんなことして大人気ないんでは、という気もしない
ではないけれど、分析の大真面目さが楽しい。
『羊たちの沈黙』の死体はニセモノで、『セブン』の
死体はホンモノだと断じたかと思えば、『あしたの
ジョー』の力石徹の死の本当の理由を推測したり、
ジョーは生きていると断定したり。
ところで、この新書、各章の見出しの文字がでかい。
普段そんなことは気にもならないが、今回ばかりは
見出しが刺激的で、電車の中ではちょっとだけ周りを
気にしながらの読書となった。
例えば「酒鬼薔薇聖斗事件-切断された遺体が語る
もの」、「秋葉原通り魔事件-短時間での無差別殺人」、
「足立区首なし死体事件-死体は簡単に燃えない?」
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
本・雑誌
- 感想投稿日 : 2018年11月18日
- 読了日 : 2009年6月21日
- 本棚登録日 : 2018年11月18日
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