アウトフェイス ダブル・バインド外伝 (キャラ文庫)

著者 :
  • 徳間書店 (2012年11月27日発売)
4.10
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本棚登録 : 309
感想 : 20
5

ダブルバインドの新藤×葉鳥メインのスピンオフ。すごくこの二人の関係性が好きです。めちゃくちゃ萌えるし、あらゆるシーンでうるっとさせられる。
また、葛西リカコセンセのイラストがいいんですよね。特にカラー口絵!

新藤×葉鳥のエピソードは、キャラ文庫の全サ小冊子収録の「存在理由」に描かれた二人の出会いから始まっています。ジャンキーから足を洗った葉鳥が新藤の押しかけ愛人に立候補するまでの話。これは、まるまる小説Chara vol.26付録でCD化されていて、大川さんとたっつんが名演技でした。
そして、同誌掲載だった小編「名もなき花は」は、その半年後です。愛人候補生だった葉鳥が正式な愛人となった人生の節目の日が描かれています。
もう、身悶えしたくなるほど葉鳥がステキでかっこよくて愛おしいです。それまでの彼の人生とか、そこから生まれてきた感性とか、すべてひっくるめて愛しいと思えます。
ふざけた態度で軽そうに見せて、その実自分の命と引き換えにしてもいいほどの愛を新藤に捧げています。そして驚くほど自分の立場や身の程をわきまえてる。決して愛人だからといっておごり高ぶったりしていません。
いつも、新藤にとって役に立つ人間でありたいと努力しています。
雑草とか名もなき花とか言ってますが、充分鮮やかで誇り高い花だと思います…

「アウトフェイス」は、本編で起きた、あの新藤が襲われた事件のオトシマエをつける話。葉鳥が自分の意思で突き進んでいく姿がステキで、手に汗握りながらも胸がすく思いでした。そこまでするの?するんだ…みたいな。
ただの愛人としてだけではいたくない、いられない葉鳥の真意がはっきり感じられたシーンでした。
そんな息詰まるような攻防から、最後は新藤の激甘やかしHが投入されていて、クラクラしてしまった。葉鳥ともども激流に飲み込まれ翻弄されます。もちろん、葉鳥の甘えっぷりもハンパありません。うるっとさせられながら、もっとイチャコラしてもいいよ?とすごくしあわせな気分にさせられちゃいました。

色んな苦悩を背負って、それを乗り越えて三代目を継いだ新藤もいい。繊細で冷静で、やさしさもあって男の色気を感じさせます。彼の心のうちも知ってみたいなと思ったり。新藤視点のストーリーも読んでみたいですね。

カワッチや、美津香など周囲の人物も魅力があふれています。好きにならずにいられないかんじ。

読み終わった後も、新藤や葉鳥のことが頭から離れず、余韻が強烈に残っています。
今年ベストの1冊になるのは確実!

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 英田サキ
感想投稿日 : 2012年11月29日
読了日 : 2012年11月29日
本棚登録日 : 2012年11月29日

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