花降る王子の婚礼 (キャラ文庫)

  • 徳間書店 (2020年7月28日発売)
4.24
  • (25)
  • (13)
  • (9)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 155
感想 : 10
4

忌まわしい呪いを受けた王と癒しの魔力を持つ王子の、壮大なファンタジー。
よくある身代わり花嫁ものかな…?と思って読み始めたんですが、そういうラブエロメインじゃなくて物語としてもとても読み応えがありました。
センセの作品だと痛いのかなとか悲壮なのかなとか、一瞬身構えたんですがそういうこともなく…例えて言うなら美女と野獣系ですね。
yocoセンセのイラストがまさにぴったりで、すてきでした。

王子リディルが死を覚悟して隣の強国の王グシオンのもとへ男という事を隠して嫁入りするところから始まります。
リディルは美人で長い金髪の持ち主で手のひらから花を降らせることができる魔法を使えるのです。うるわしい…でも、発動しない魔力の持ち主で、それが大きな伏線となっています。
美しいんだけど、強い心の持ち主で困難にぶつかっても決してひるんだりしないところは凛々しい王子なのです。
一方のグシオンもイケメンで武術に長けて一国の王として遜色なく、リディルにも好意をストレートにみせる男らしい性格。
意外だったのは、リディルにだけ秘密があるのだと思っていたら、なんとグシオンにも秘密があったんですね…
それも切羽詰まった呪いの秘密が。
そんな苦悩するグシオンをリディルは助けたいと思い詰めるようになって、それが強い愛へとだんだん変化していきます。その様子が敵国との争いとともに描かれていて、手に汗握りました。
身近に敵のスパイがいて、それが誰なのか読者までも疑心暗鬼にさせられてしまいハラハラしつつも面白かったです。

ラストの意外な事実もあっと言わせるし、とても引き込まれるストーリーでした。

エロ的にも、初夜のシーンが状況が状況だけにとても萌えるものがありました。ロマンティックな萌え!

ファンタジーとしての世界観がステキだったので、ファンタジー好きにはぜひ手に取ってもらいたい1冊です。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ♥BLノベル♥
感想投稿日 : 2020年10月15日
読了日 : 2020年10月15日
本棚登録日 : 2020年10月15日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする