雛鳥は汐風にまどろむ (CHARA コミックス)

著者 :
  • 徳間書店 (2018年1月25日発売)
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本棚登録 : 356
感想 : 11
5

ボロ泣きしてしまいました…!
海の見える町に小学生の歩と引っ越してきた勇一が、そこで惣菜屋を営む元ホストの陵と出会う事から始まる、魂の再生の物語です。

陵はイケメンで客の扱いがさすがでw勇一にも親切で、そんな彼のおかげで真面目ゆえに自分を追い込んでしまっていた勇一が癒されていくのは、当然のことで。
子供を育てる親や、勇一のように親代わりをしている大人の立場がとてもリアルに、でも優しい視点で描かれていて、子供の寂しさや不安だけじゃなく大人の不安や辛さもしっかり描かれていて胸に刺さりました。
歩が最初は冷めた子供かな…?と思ってたら、ほんとに子供らしいというかいじらしいというか、胸がぎゅってなっちゃいました…勇一も歩との距離感がつかめなくて悩んでたけど、歩はもっと不安だったんだよね…泣けました。
勇一が歩を心から愛してるオカン体質で、ほんとによかったです。
島村さんの存在は大きかったですよね。母親として素晴らしい人です。そして、なんか陵と勇一のことも察してるよね?

歩も見かけによらないかわいい性格だったけど、陵のギャップ感はさらに激しかったです。
表と裏の顔が違いすぎて引いちゃうかもだけど、そうなってしまった切実な理由が彼にはあったんですよね…
とは言え愛情の飢えを、誰かの大切なものを奪う事で解消していた過去とか、荒み具合がハンパないんですけどね…
まあ大体、元ホストが海の見える街で総菜屋してるって設定で、絶対ワケアリと決まってるんだけどw
ちょっと歪んでた陵も、素直で正直で一生懸命に毎日がんばってる勇一に心を動かされて、ピュアな心を取り戻いていく姿がすごくよかったです。
海のシーンは涙が止まらなかったです。
こんなに泣くとは思わなかった…

エロ的にはキスシーンにドキドキさせられました。勇一がアラサーなのにもしかしてまっさら?妖精さんになる手前だった??みたいな初々しさでwww
そんな勇一に百戦錬磨の陵が…たまらんかったです。
あと、陵はお総菜屋さんだから当然おいしいおかずがてんこ盛りで、色々な欲を満たしてくれる男なんだな~と勇一が羨ましくなりました。
「卵焼き」「シーグラス」がキーワードです!

センセの描くキャラが美形で大好きなんです。子供もかわいいし、平凡そうに見えるストーリーが実は練り込まれててものすごくじわじわくるし、ほんとに気に入っています。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 南月ゆう
感想投稿日 : 2018年1月25日
読了日 : 2018年1月25日
本棚登録日 : 2018年1月25日

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