彼と彼が好きな人 (ディアプラス文庫)

著者 :
  • 新書館 (2019年12月10日発売)
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感想 : 5
4

『両片想い』がお題だった、小説ディアプラス掲載作品。
同じ男に片想いしていたリーマン同士が、彼を通して顔見知りになり、気づけばなぜか互いを好きになっていた…というお話でした。
片想いの相手である神林と高校時代からの親友なのが、チャライケの藤野。もう一人の御堂は神林の大学時代の友人で、彼もイケメンなんだけどちょっと堅物で真面目タイプ。
まったく相性が悪そうな二人だけど、神林の話題では意見が一致して盛り上がりまくりなのですw

読みながら、ふと御堂と藤野は神林のガチムチ系ビジュアルに惚れてるなら、抱かれたい!って思ってるんだろうな…と気づいたらそこ気になって。
でも、ノンケと思われる御堂にしてみれば、初めてでリアルに受を担当するのはハードル高すぎですよね…?
両想い同士になったら、やっぱり御堂×藤野になりますね…
センセは文章力があり、こういう複雑で妙なシチュエーションでも違和感なく読ませることができるのがすごいところだと思います。

書き下ろし「結局彼が好きな人」は、つきあい始めた司とスイ(名前呼びになってる二人に萌え)が、真面目で独占欲が強い司のヤキモチに束縛嫌いなスイが反発して大喧嘩して、ついに別れることに。
ちょっと辛い展開でした。二人の気持ちが痛いほどわかるだけに。
好きだからこそのヤキモチなんだろうけど、御堂はもっと信じてどんと構えてたらいいのにと思ったり。でも、藤野の方も突然の別離宣言はもう少し慎重になったほうがよかったんじゃない?と思ったり…
多分、御堂の「別れない!」という言葉を期待してたのかな?
結局、藤野は自分も嫉妬心を感じることによってようやく御堂への気持ちを再確認します。
二人とも真実の恋をやっとつかんだみたいで、とても安堵しました。

まったく正反対な二人が、神林が好きとか身体の相性がいいとかピンポイントでぴったり一致する…というのが私的萌えツボでした。
エロ的にはDT御堂が、遊んでそうな藤野が実はバックバージンと知って興奮するシーン(笑)と、お風呂Hが最高でした。

大人だけど恋愛では発展途上で、めっちゃぐるぐるする感じがダイレクトに伝わってきてよかったです。甘いだけじゃないリアル感にしみじみさせられました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 安西リカ
感想投稿日 : 2019年12月20日
読了日 : 2019年12月20日
本棚登録日 : 2019年12月20日

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