極道の新妻 (ガッシュ文庫)

  • 海王社 (2009年9月28日発売)
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感想 : 2
4

勝手にイチャついてて下さい、と言いたくなるようなバカップルぶりがアホらしくも微笑ましい、渡瀬組若頭の伊織×嫁の高校生尚弥。
頑張るのに全てが裏目に出てしまうという、今回も尚弥のかわいいおバカぶりが全開で、笑わせえてもらいました。伊織じゃないけど、その根拠のない自信は一体どこからくるのでしょうか?

そんな暴走にやきもきさせられる極道の新妻の尚弥ですが、すべては伊織のためなんですよね。彼の役に立ちたい、一人前になって認められたいと思いつめて、結局対立する組の罠にはめられてしまうのです。そんな尚弥の気持ちがわかるからこそ、伊織も怒ることはできないんだろうな。

伊織はてめえよばわりしながらも、尚弥に対する想いを言葉と行動できちんと表しているのがいいなと思わせます。焼きそばが食べたかったとふてくされたり、風邪を引いたと嘘をつかれても甲斐甲斐しく看病したりと、若頭としてカッコつけずに素のままで向き合ってるのがステキです。どんだけ惚れてるの?というメロメロ加減。
バカバカしいほどラブラブなのに呆れたり、癒されたり。

尚弥が危険な目に遭っても何とかなるだろうと思わせるのは、新妻と言えどやはりそこは元気いっぱいな高校生の男の子、というのがあるからです。これが乙女な美少年だったり、ホンモノの女子だったりするともっと痛い展開になったりするんだろうけど、安心して笑って読める理由はやっぱりそこにあるんじゃないかと。あと、ゆるぎない二人の気持ちと濃厚Hも重要です。
濃く甘く絡んでいるベッドシーンは新婚さんならでは。しかも、相当高度なテク必要な絡みです。多分、尚弥が他所で教わった技というのに伊織のジェラシーに火がついた結果ですね。

書下ろしでは、伊織視点で子供時代の尚弥の様子が描かれていますが…そんな頃から勉強はまるでダメでした。でも、何よりズバ抜けてかわいらしかったんだよな、という犬も食わないノロケ話。
そして、カバー下にもSSがある文庫本です。こちらを読むのを忘れずに。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: バーバラ片桐
感想投稿日 : 2012年2月2日
読了日 : 2012年2月2日
本棚登録日 : 2012年2月2日

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