「交渉人」シリーズのスピンオフ。長身で無口で日本人離れした容姿の紀宵と、ちっちゃくてかわいいのにそう言われると激怒する「狂犬チワワ」智紀です。
本編読んでるときには、じゃれてるままでずっと行くんだろうなぁと思ってたら、まさかのcp成立。この二人をどうやってくっつけるのかな?と興味津々でかぶりつきました。
本編の大人な兵頭×芽吹とは違って、若さとエネルギーあふれるキヨ×トモのラブストーリーです。
二人に降りかかる難事件や恋愛に対して真正面からぶつかっていって、時に暴走して、ハラハラしてしまうけど、目が離せないかんじですごくよかった。
二人の生い立ちや過去が仔細に描かれていて、それが現在の生き方につながっているんだなと納得させられます。
本編の芽吹の過去も重くてやりきれないものがあったけど、この二人もかなり重いです。特にキヨ。本職の特殊清掃業が仔細に描かれていて、無縁社会を彷彿とさせます。なぜ、この職を続けているのかその訳がが心にじーんと迫ってきました。それでも、失った人よりももっと大切な人を手に入れたことに安堵です。
総じて軽いタッチで描かれてるけど、痛いシーンもかなりあります。ま、それを乗り越えて晴れて結ばれるわけなので必然性はあるんですが。事件絡みのせいか、決して甘くはないシリアス寄りのストーリーです。
トモ視点だと一人称、キヨ視線だと三人称で交互に構成されています。それもちょっと新鮮で読みやすかった。相変わらず洒脱な文章で惚れ惚れですね~!
兵頭と芽吹もちゃんと登場して、特に兵頭はおいしい役どころ!ちょっとうれしいです。
奈良絵師のイラストも、私的に今回に限っては違和感ナシでした。
- 感想投稿日 : 2011年8月5日
- 読了日 : 2011年8月2日
- 本棚登録日 : 2010年11月12日
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