SMな関係って、実はデリケートなんだとつくづく思わせる話でした。
真澄は飛田のためにS役を頑張ってるだけで、元々はごく普通の嗜好の持ち主。いつも飛田の身体を気づかって、でも快楽を与えてあげなくてはとSMを真面目に探求していてとてもいいSです。
そんな真澄のおかげで身体が満たされている飛田。飛田にしてみれば真澄と付き合っているつもりらしいですが、真澄にはアブノーマルH以外では無表情で気持ちも伝わってこない飛田との関係は、夜のSMフレンドとして利用されているとしか思えなくて、悲しくて寂しくなってしまうのです。
Sがホンモノだったらきっと事件が起きるでしょうね。S役って相手を気遣う愛や優しさがあってこそ務まるんだろうなと思いました。真澄は飛田のことが好きだからあえて相手をしてあげているので、だんだんその関係に疲れていきます。
普通につきあってデートしたい日だってあるのは、飛田が好きだから。
そこになかなか気付けない飛田は、きっとそういう普通のデートの経験がないからなのかも。いじめられるという受け身の生き方だったので、主体性もなかったですね。
そんな飛田の態度に、さすがに深く傷ついてしまった真澄。それでもまだ受け身な気持ちと態度のままでこれはもうダメかな、平行線のままかな…とずい分心配しましたが。
でも、真澄との破局でついに飛田も自分から能動的に生きることに目覚めました。
大事なことに気づけて本当によかったです!飛田の告白が切なくて切なくて、真澄の返事もやさしくてやさしくて…!
なんてかわいい二人だろうと思ってしまいました。
歪んでるように見えて、実はとてもピュアで読後感がすごくよかったです。
- 感想投稿日 : 2014年12月13日
- 読了日 : 2014年12月13日
- 本棚登録日 : 2014年12月13日
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