# 意思決定の精度に関する秘孔を突いた一冊
## 面白かったところ
- 「狙った的が外れる」という事実は見る切り口を変えたらカテゴライズでき、「バイアス」と「ノイズ」で表現されていて膝を打った
- 「一晩寝かせるといいアイデアが浮かぶ」というアレの正体の根源が「群衆の叡智」であると力説していて面白い
## 微妙だったところ
- 正規分布や公式など、統計学を始めとした、大きな主語で言う「数学」の知見が多く散りばめられていて難しい
## 感想
組織が正しく前に進むための決断について興味があったため読み始めたが、かなり面白い。
人間という1単位で見た場合と、組織で見た場合では決断の際にバイアスがかかる。初めに発言した人間の意見が通りやすいのは、それ以外の人のシステム1が起動してしまうからと言う理屈も興味深い。
人はコンピュータのように様々なカテゴリの数値を分析することは難しいが、階層的にハンドリングしやすい数値で比較することは割りと得意という論も納得がいった。20種類のピザのランキングを付ける際も、闇雲に20種類レビューするんじゃなくて、「魚介系」「肉系」のようにカテゴライズして評価点をつけるほうがやりやすいのは自分でもわかった。
絶対評価ではなく相対評価のほうがマシ。ということである。これはストーリーポイントの概念にも通ずることがあるな。
書いてある内容や引用してある概念は簡単ではないが論じられている内容はかなり面白いため、下巻も楽しみである。
- 感想投稿日 : 2023年10月25日
- 読了日 : 2023年10月25日
- 本棚登録日 : 2023年10月14日
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