全国民が読んだら歴史が変わる奇跡の経済教室【戦略編】

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  • ベストセラーズ (2019年7月8日発売)
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成長戦略にはアメ型(賃金主導型、労働者への賃金の上昇をアメにし、国民経済全体を上昇させようとすること)と、ムチ型(利潤主導型、解雇や賃下げによる労働者への人件費抑制、企業の利潤を上昇させて経済を回そうとすること)がある
アメ型はインフレ気味になる
ムチ型はデフレ気味になる(成長できない)

定年延長・女性進出・移民受け入れが、賃金を低く止まらせる
規制緩和、自由化、民営化によって、個人や企業は政府の規制や介入から自由になれるが。。。(注意)

PFI...政府や地方自治体が行ってきた公共サービスを民間事業者に委託する→非効率
①民間企業が長期にわたりサービスを行う際の資金調達は、公共部門が借りるよりも高くなるため
②公共サービスを受注した企業は、事業を独占するため
③不正や汚職を防ぐための監視のコストがかかるため

レント・シーキング活動→自分の利益を増やすため、ルールや政策の変更を行うよう、行政にはたらきかけること
既得権益の撤廃をめざして新しいプロジェクトを始めるが、そこがすでにズブズブ

日本は官僚主導ではない、与党審査が表すように、政党の意向を忖度した法案づくりをしている
調整型官僚から吏員型官僚への変換、調整に重きを置かず、言われたことを迅速に意思決定できればいい官僚の登場→改革派の出現
内閣人事局にすべてを抑えられた官僚には、官邸と結びついたレント・シーキング活動に対抗できない

人手不足→労働力を根本から増やすための少子化対策とインフレ誘導に舵を切れ(移民を受け入れると、賃金が下がりデフレが進む)

保守派(右派、国家主義)は、インフレを過剰な民主主義のせいと位置づけ、民主主義に対する慎重な態度を示してきた→市場主義の新自由主義へとなった
リベラル派(左派、反国家主義)は、経済社会を階級闘争として考えるのを辞め、アイデンティティ(女性、LGBTの解放)を重視し始めた→集団から個人を解放する理想を
かかげる→新自由主義へと歩み寄った
平成の政治は、保守的新自由主義と進歩的新自由主義の内ゲバ
ポピュリズム(人気取り政党)の台頭は、既存エリートへの不信感から来るもの

国際条約は、グローバル化と引き換えに各国の民主政治に縛りを入れる→非人道兵器の撤廃などはよいが、ムチ型成長戦略のために使うべきではない

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感想投稿日 : 2020年5月25日
読了日 : 2019年11月7日
本棚登録日 : 2019年11月9日

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