欲と収納 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店 (2014年1月25日発売)
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感想 : 60
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群ようこさんの「収納」「片付け」に関するエッセイ。
テーマは、着物、洋服、靴・かばん、書類、などなど。

この本も、近年の群さんのエッセイ本通りの内容であった。
つまり、「なんとかしなくちゃ~」と思い悩み、「少しの努力」はするんだけど、抜本的解決は到底見込めず、特に解決することなく終わる・・・トホホ的内容だ。
当然、着物の章ではお母様への文句あり。
同じ話を何度も聞かされてるうち、ただの一読者である私が、群ようこさんのことを「親戚のおばさま」的に思えてくるのです。
あ~また同じこと話してるよ、その話もう聞いたよ、的な。
これが、私の群ようこエッセイの楽しみ方になりつつあります。
あと、木加工品(テーブルの足?)をベランダに出しておいて「いつか朽ち果てないかなぁ」と朽ち果て待ちなのは笑った。
枯れ枝みたいに朽ち果てることはないから、諦めて粗大ゴミとして処分してください笑!

この本が出版されたのは平成26年1月。
私が手にした本は、平成27年10月の8刷であった。
約1年半で、このエッセイ本が8刷!?
この出版不況において、やっぱり群ようこさんは強いんだなぁと実感。

ところで、この本の中に、大ベストセラー「人生がときめく片付けの魔法」(byこんまり)が出てくる。どうやら、群さんも読んだらしい。
私も、話題になった当時、片付けの魔法を読みました。
私はこの本の影響で、着ていない服、読み終わった本、全部処分できた。結果、一個も困っていない。むしろ、何を捨てたのかすら忘れてしまったほど。こんまりに感謝している。
だから、この本を読んでも「どれもときめくんだよな~」「どれもかわいい~」と言って着物&動物のプリントを処分できない群ようこさんは、本物の着物マニア・動物マニア?
もしくは、実はたいして困っていない(=そこまで片付けたいと思っていない)人?
どっちかというと後者かなぁ。

あと、群ようこさんのエッセイで必ず登場する「バザー」という単語。
現代で、バザーってやってるのでしょうか?
確かに昔は、地元の小学校でバザーやるというと、読み古された本や、誰かが着たであろう服、お中元の残りみたいなものがたくさん出品されていた。それはそれで子どもながらに楽しかった記憶。
でも、今はバザー自体やってるの見たことないし、フリーマーケットするにしても、よほどきれいな物やハンドメイドの新品でないと、そうそう売れないと思う。
だから、群さん本で「バザー」という単語が登場するたび、「その品物は本当にバザーに出品されているのだろうか?」と思ってしまうのです。
漢方薬局の次に教えて欲しい、バザー引取業者である。

あとがきは「もう捨てるものはない」と言い切れるような生活を送りたい、という言葉で終わっていた。
御本人が一番わかっていると思うけどさ・・・
あえて言うね、絶対無理だろう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 群ようこ
感想投稿日 : 2022年11月2日
読了日 : 2022年11月2日
本棚登録日 : 2022年10月16日

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