身元不詳の3人の男と、その周囲の人たちを軸に話が進む。
冒頭の殺人事件の描写に、沖縄で高校生が男に襲われる場面…。
読んでて、何の事件にも巻き込まれず暮らせることが奇跡のように感じた。
それくらい、犯罪が日常と一体となってるような描写が秀逸…。
実在する事件をモチーフ?にしながら、ここまで他の人物にフォーカスして魅力的なストーリーにしてるのが本当にすごい。
この人の本は、説明臭くないところも好き。
たとえば愛子の人物像ひとつ取っても、説明臭くならずに、いくつかのエピソードから愛子の人物像が浮き彫りにされていく。
優馬は母子家庭で貧乏だったけど、優馬にとっては楽しい生活であり、「大変だったね」「苦労したね」と他人に言われることが嫌だったこと、お母さん嬉しそうだったよ、と言ってくれた直人に心を惹かれるシーンは泣けたなぁ。
上下に分かれている本アレルギーなので、ずっと読みたいと思いつつ読んでなかったんだけど、読みはじめてしまえばそんなにボリュームもないし、先が気になって一気読みしてしまった。
下巻も楽しみ。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ミステリー
- 感想投稿日 : 2019年4月30日
- 読了日 : 2019年4月30日
- 本棚登録日 : 2019年4月28日
みんなの感想をみる