20111118
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「NICU、そこでは正義と現実が命を巡ってせめぎあう。」
病院に戻ってきた斉藤を待ち受けていたのは、同僚の医師たちからの冷たい視線だった。そんな中、新生児集中治療室(NICU:別名ベビーER)での研修が始まる。わずか900gで生まれた双子の未熟児を担当する斉藤が目にしたもの。
それは、不妊治療、未熟児医療、障害、追い詰められていく両親……新生児科医の日常は、医者と両親の苦悩と矛盾の日々だった。
社会的大反響を巻き起こす衝撃の医療ドラマ第3巻。[開業医の誇り編]、[ベビーER編①]を収録! (漫画on webより)
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外科などに疎まれている主人公の新たな研修先はNICU(新生児特定集中治療室)となった。
NICUとは、「病院において早産児や低出生体重児、または何らかの疾患のある新生児を集中的に管理・治療する部門」(wikipediaより)であり、主人公のもとには早速未熟児として生まれた双子の兄弟が運び込まれてくる。
二人は、その両親が不妊治療を続けた結果生まれた子達だった。だが、未熟児が障害を持つリスクの高さなどを知る父親は我が子として認めることを拒絶し、そのまま死なせるよう希望する。もちろんそんなことは法律的に不可能だが、母親の方も「主人の言葉を聞きながら、心のどこかで安堵している自分がいた」と吐露。
たとえ障害のリスクが高い未熟児であっても、望んで生んだ子供なら親は愛せるものと思っていた。だが現実はそんなに単純ではない。NICUの保護器に入った我が子を目にした母親の口から洩れた言葉は「ごめんね」。「未熟児の母親というのはそんなに単純なものではない」という言葉が突き刺さる。
そんな中、双子の弟の方が腸閉塞を発症、手術の必要が出てくる。同時に、ダウン症児である疑いも浮上。手術の必要を認識しながらも、父親は手術同意書にサインすることを拒否。このままでは死んでしまう――親が望まない以上、死なせることが正しいのか? そうするしかないのか? 主人公の前には新たな難題が突きつけられる。
- 感想投稿日 : 2011年11月19日
- 読了日 : 2011年11月18日
- 本棚登録日 : 2011年11月19日
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