自発的隷従論 (ちくま学芸文庫)

  • 筑摩書房 (2013年11月8日発売)
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感想 : 31
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「日本の状況が他人事と思えなくなる」の帯がついていましたが、一人の圧政者に云々という下りは、北朝鮮を思い起こさせました(著者はモンテーニュと刎頸の交わりがあったとのことで、引用はギリシア・ローマが多いのですが)。

圧政者一人が4〜5人を追従者として周りにつけ、徐々にそれを広げて権力基盤を固めていくというのは、企業でも似たところありかとも思いました。

本文は80ページほどの短いものですが、最後の西谷修氏の解説が圧巻です。対米追随の日本の現状を分析し、これを権力基盤としている政党や追随者の話は、別に一冊書いて欲しいと思うほどの内容です。これを読むと、「日本の状況が他人事と思えなくなる」というのも頷けました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 思想・哲学
感想投稿日 : 2021年7月11日
読了日 : 2020年6月23日
本棚登録日 : 2020年6月23日

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