世界でたったひとりの子

  • 竹書房 (2005年12月1日発売)
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本棚登録 : 528
感想 : 56
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チョコレート・アンダーグラウンドを読んでから、これを読んだ。
チョコレート・アンダーグラウンドとはテイストが全く違う話。同じ作家でここまで雰囲気やテーマが違う話を書けるのか、と驚いた。

以外ネタバレ含みます。↓

・ディートが印象に残っている。利己的な人間。言葉では自分の行動を正当化するのがうまいけど、主人公を思って行動していたことなどない。
彼は結局自分のために、主人公の意志を無視してPPを受けさせようとする。
言葉尻だけあなたのためと言いながら、実際は自分の利益になることしか考えずに行動している人って結構多そうだな。と思った。
主人公は聡明かつ幸運だったのでディートによるPP治療を間一髪くぐり抜けたけど、もし主人公が聡明でなかったとしたら? あるいは、聡明だったが不運にもPPを受けさせられたら?
絶望したのだろうか??諦めて受け入れたのだろうか??
・主人公がディートに親しみを感じるけど、絆は感じないと言っていて「いつも一緒にいるけど仲良しではないorどうでもいい関係の人」っていうものを改めて認識した。
◎子供のまま成長せずに生きることは幸せなのだろうか? と、考えさせられた。成長せずに子供のままで居た方が楽だし、大人になるなんて嫌だ!という考えが、成長することが確約されているからこそ出る考えであることを自覚した。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2013年12月22日
読了日 : 2013年12月22日
本棚登録日 : 2013年12月6日

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