思慮深かった中学二年の息子・優馬がマンションから飛び降り、自殺を遂げた。
動機を見出せなかった父親の青木は、真相を追うべく、同級生たちに話を聞き始めるが…。
“子供の論理”を身にまとい、決して本心を明かさない子供たち。
そして、さらに同級生が一人、また一人とビルから身を投げた。
「14歳」という年代特有の不可解な少年の世界と心理をあぶり出し、衝撃の真相へと読者を導く、気鋭による力作長編ミステリー。
語り手の優馬の父である青木が優馬をはじめとした同級生の数々の自殺の真相を追っていくミステリー小説。
子供の世界と言うものと大人の世界と言うものに隔てて描かれていたと思う。まず一番に思うのが光岡先生が可哀想すぎる。
大人になっていくにつれてこんなにも子供の気持ちを理解できない様になっていくのだろうか。
きっとそれは歳を重ねるにつれて当たり前の様に起こっているのかもしれない。
こんな事が起こらない限りそれを深刻に考えないだろう。
現に自分も子供の世界から大人の世界へ足を踏み入れている。
子供がどの様な事を深刻に考え、どの様な事をするのか。
それは年齢関係なく、全般で言える事だろうけど社会のルールを基盤として理屈では考えられないようなことが様々な所で起こっているのだと思う。
小説の様な大きな出来事ではないにしろ、人の心は常に変化を遂げ、傍目からでは、突然変異のように感じるのかもしれない。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
貫井徳郎
- 感想投稿日 : 2012年7月19日
- 読了日 : 2012年7月19日
- 本棚登録日 : 2012年7月16日
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