ふるさとは、夏 (福音館文庫 物語)

著者 :
  • 福音館書店 (2004年5月20日発売)
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本棚登録 : 101
感想 : 21
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小五の夏に出合って以来、毎夏ごとに、十回は読んだでしょうか。

本を開けば、主人公とともに田舎の村へ行く夏休みが始まる。
田舎で迎えてくれたのは、人間だけでなく、親しみ易い個性的な神様たち。
『ミョウガ食べて、ミョウガ臭い息吐いて』物を忘れさせるブンガこと、ブンガブンガキャー。
稲を干す竿のホゾ神さん。
機嫌を損ねると鎌で首を刈られかねない、実は怖ーいボットのおばば。
ブタ猫と悪口される、嫌われ者のミョージン。(きっと漢字で書くなら、猫神でミョージン、子供の頃は明神しか浮かばなかったけれど)
温泉旅行中(!?)に、勝手に白羽の矢を使われて困り果てる氏神のイツオ彦さん。

バンモチの晩、ゴロヨモサにバンニョモサ『だらやね、みち君』『だんない、だんない』と言った方言も、物語の世界を温かく包みこみます。

小林敏也さんによる土の香がする版画も、物語の雰囲気にぴったり!!

きっと夏が来れば、また彼らに会いに行きたくなるのでしょう――もう一つの私のふるさとへ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2017年1月10日
読了日 : -
本棚登録日 : 2017年1月6日

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