ブクログで評価が高かったので読んでみました。
歴史家・磯田道史さんの本。
司馬文学なんていわゆる司馬史観だ!っていう本だと嫌だなと思いながら手にとりました。結果、全く違いました。
司馬先生を「歴史をつくる歴史家」とし、どういうことかというと強い浸透力を持つ文章と内容で書かれ、読んだ人間を動かし、次の時代の人間に影響を及ぼした歴史家だとしています。
また、司馬文学は、時代のダイナミズムや社会の変動を描く「動態の文学」であり、激動の時代を生きる二十一世紀の私たちにとても重要な示唆を与えてくれると言います。
さらに、司馬文学の背後には、HowよりWhyがあり、それは司馬先生の戦争体験が大きく、「どうしてこういう国になってしまったのだろう?」という疑問が彼に小説を書かせたとしています。
以上書いたのは序章にすぎず、本書では司馬文学を深く分析しています。示唆に富む指摘が多く、漫然と司馬文学を読むよりもよっぽど良いと思いました。司馬文学を好んで読む方には手に取っていただきたい本です。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
自己啓発
- 感想投稿日 : 2021年3月10日
- 読了日 : 2021年3月10日
- 本棚登録日 : 2021年3月2日
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