歓びの娘 鑑定医シャルル (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社 (1997年9月19日発売)
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感想 : 11
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鑑定医シャルルの第二弾。ある日娼婦を精神鑑定のサンプリングとして診断している最中、鉱山から発見されたバラバラの死体鑑定を依頼される。当初、バラバラ殺人かと思われたその事件は、鑑定の結果、思わぬ事実が判明する……。
といった感じで物語が始まります。前作と違い、犯人の独白や回想シーンが極端に少ない。というか、犯人というよりは、犯行に至らせた動機というか。なので、最後まで読まないと、真実はわかりません。読み始めると、続きが気になって一気に読みました。最終部分では、急転直下で話が進んでいく感じがします。
ただ、これは創作物であるのでいいのだけれど、実際にこういった事件が起こり、犯人は●●だから、という解決の仕方をされると、ものすごく納得がいかないのではないかと思います。
今回の、精神医学的なテーマとしては、家族の形と家庭内における母親の在り方、でしょうか。人は、幼少期に母親とどう過ごすかによって、よくも悪くもその後の人生に多大な影響が出るという印象でした。
前作よりも、精神医学の専門的な言葉が多いので、理解するには二度三度読む必要があるのかもしれません。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 作家名 は行
感想投稿日 : 2011年2月25日
読了日 : 2011年2月21日
本棚登録日 : 2011年2月2日

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